三浦屋で食べるきしころ定食

6月某日。

突然、無性に食べたくなる、あのお店のあの味ってありますか?それ、いくつありますか?

それ、多ければ多いほど、多分に幸せなんじゃないかなと思うんですよね。いや、ただの食いしん坊なのか。まあでも、食いしん坊と言われて、幸の薄い人物を思い浮かべる人はそうそういないと思うんですよ。朗らかな表情で何か甘いものをほおばっているような。そう思うとですね、食いしん坊=幸せという公式も成り立つわけでして。えっと、すみません、着地点を見失ったので、本題へ。

古典落語「紺屋高尾」の舞台ではありません。残念ながら花魁(おいらん)はいませんが、きしめんがございます。いいえ、きしめんはございません、品の良い美味しいきしめんがございます。今回のたべる劇場、名古屋市東区は古出来の交差点近くにある「三浦屋」さんへお邪魔しました。ここのきしころが食べたくて。

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白をベースに黒文字の暖簾、どことなく黒ベース以上に清潔感を感じます。名古屋では白ベースの暖簾をあまり見かけない気がするんですが、調査したわけではないので、気のせいかもしれません。

ガラガラと引き戸を開けると左手に座敷、真ん中にテーブル席、右手に厨房。テーブルは6人がけが2つだったかな。席数はざっと20席くらいでしょうか。大きくはありませんが窮屈さを感じさせないレイアウトになっています。テーブル席はテーブル数が少ないのでひとりで行くと相席になる確率が高いです。いつもはさくっとテーブル席に座ることが多いのですが、この日は偶然にも某きしめんブロガーさんが小上がりにいらっしゃったので、相席させていただくことに。

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メニューなんか見なくて、注文するものは決まっていたのですが、たまたま目に入った、お昼の定食メニュー。あ、たまにはこっちにしよう。きしころ定食のきしめんを小さいのから普通のサイズに変更でお願いします。

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久しぶりにお会いした某ブロガー先輩としばし歓談。話し相手がいると待ち時間が短く感じますね。同じ10分でも長く感じたり短く感じたり、不思議なものです。普段はお店の奥にあるテレビをぼんやり見ながら、お茶をいただくことが多いかな。老舗の麺類食堂の雰囲気とあいまってか、とてものんびりとした時間が過ぎていきます。

ほどなくして「きしころ定食800円」が到着。

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定食ビューイング。小鉢は冷奴とたくあん、おかずはコロッケ。うんうん、そうそう、この感じが今日は欲しかった。

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水気を絞って丸められた大根おろしがかわいらしく添えられたきしころ。三浦屋さんのきしめんはつるつるぴかぴか、丼が黒いせいか、麺の白が一段と眩しく映ります。

丼の色でお汁の色が分かりにくいのですが、三浦屋さんのお汁は名古屋市内の他店と比べると色も味も薄め。とは言え、味が薄いわけではありません。飲んでみればわかりますが、出汁の味は色濃く出ており、醤油辛さをあまり感じません。ほとんどの人がゴクゴクと飲み干せてしまうんじゃないでしょうか。

私は初めて食べたときは「あれ?薄くないか?」だったのですが、これが飲んでいるうちにこのじんわりとくる出汁の淡さがクセになり始めて、この繊細なお汁は名古屋でも唯一無比だなぁと思うようになり、以降たまに口が思い出して食べに伺っています。

思い出すと、三浦屋さんと同じ東区にある摩留喜屋さんがこの味に近かった記憶がありますが、三浦屋さんのほうがより繊細で淡かったはず。

ひとつ難点をあげるとすれば、きしめん単品で完成している味ですので、定食とあわせるとちょっと物足りなくなるかもしれません。要はおかずっぽい味の濃さではありませんよ、ということです。なので、きしめんメニューは単品をオススメさせてください。

あれ?おまえ、定食頼んでなかった?いえ、あの、この日はそれでも定食が食べたかったので。

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麺の幅は狭めです。特徴はなんといってもこのつるつるぴっかぴかの麺の表面。丼が黒いから眩しく感じますね~。この丼の中の主役は君だ、と言いたくなるのは愛知県産小麦「きぬあかり」100%使用の麺。見た目こそしなやかではありますが、麺そのものはやわらかさがありながらもしっかりもしているといった印象。いわゆる「コシが強い」のは違いますが、噛みごたえもしっかり楽しめます。

一般的にきしめんと言われると「駅で立ち食いするもの」という印象が強いですよね。ざっと茹でて、ばっと丼へ入れて、じゃっと汁をかけて、ぱっと花かつおを添える。早さと手軽さ、悪く言えば少々ガサツでも腹へおさまればそれなりに満足、そんな印象でしょうか。

三浦屋さんのきしころは、そのガサツさとは対極の、とても丁寧で繊細な印象を受けます。初めて食べたときもそうでしたし、それは今でも変わりません。お出汁もとても丁寧にひいていらしゃる印象を受けます。

忙しく時間がないランチタイム、スマホ片手にどんどん口へ運んでいく食事もある意味仕方がないでしょうが、たまにはその片手を丼にそえて、ゆっくりじっくり味わって欲しいのが、三浦屋さんのきしころです。時間さえあれば軽快な口調で麺類業界のあれこれやきしめんのあれこれを話してくださる店主とのギャップも楽しいですよ。

今回もお汁を全部飲み干して、ごちそうさまでした!きしころスタンプラリーがはじまったら、また食べに行きます。※第2回きしころスタンプラリーは2016年7月1日~8月31日まで開催。訪問したのは6月末で、この時はまだスタンプラリーが始まっていませんでした。

以下、食べログ店舗情報です。

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